今回は、筆記試験対策の “検査方法” について解説していきます。
この辺りも、やはり暗記項目が多いので
なるべくイメージ付きやすいように解説していきますので
最後まで付いてきてくださいね!
電気を調べるって、何をすんだい??
1. 一般用電気工作物 検査項目
1-1 竣工検査
例えば、一般家庭等に施工した、一般電気工作物が完成した際に
- それらが電気設備技術基準に適合しているか?
- 漏電による感電・火災の危険がないか?
といった点を調べるため、竣工検査を実施します。
内容としては、以下の4点がメインです。
- 目視点検: 器具の設置具合等をチェック
- 絶縁抵抗測定: 電気抵抗における絶縁劣化を検査し、火災・感電事故を防止
- 接地抵抗測定: 接地不良を検知し、電気機器等の感電事故を防止する
- 導通検査: 各電路の導通不良・接続不良を確認する
この4つだけ、完全に頭に入れてしまいましょう!
ということで、これらの詳細を説明していきます!
1-2 絶縁抵抗の測定
基準値
絶縁抵抗として定められているものは
- 電線相互間
- 電路と大地間
の2つのカテゴリに適応され、それぞれ電気設備技術基準によって以下の表で定められています。
このうち、赤文字部分 (使用電圧300V以下) に関しては
絶縁抵抗を問われる問題は頻出ですので、覚えましょう!!
一番簡単なのは、150Vを境に、上か下か?で絶縁抵抗が倍違う…という点でしょうかね。
測定機器
絶縁抵抗を計る際は、”絶縁抵抗器(メガー)” を使用します。
絶縁抵抗を計る際の電圧は、直流電圧を使用します。
交流を使用すると、絶縁物の静電容量によって電流が生じてしまい
正しい電圧が測定できないため、交流を使用する事はありません。
画像は 〇IOKI製のメガーですが
赤色の端子が”L(ライン)”と呼ばれ、電路に接続し
黒色の端子(クリップ)が”E(アース)” と呼ばれ、大地と接続します。
測定方法 ①電線相互
例えば単相2線の電線相互間 絶縁抵抗を測定したい場合は
測定対象は、2本ある電線の両方となり
それ以外で、負荷を通じて2線が接続されている箇所が無いように準備しないといけません。
測定準備と、絶縁抵抗計(メガー)の接続方法は 下図の通りです。
メガーの2つの端子 L/Eは
それぞれ1本ずつ電線に接続して測定します。
測定方法 ②電路と大地間
単相2線の電路と大地間 絶縁抵抗を測定したい場合は
測定対象は、電線、及び大地(接地局)となり
負荷を接続、その上で電線相互を接続した状態で準備しないといけません。
測定準備と、絶縁抵抗計(メガー)の接続方法は 下図の通りです。
メガーの端子 Lはどちらか1本の電線に接続
メガーの端子 Eは大地と接続(= 接地) して測定します。
測定が困難な場合 漏洩電流
絶縁抵抗は 2つの対象物間の絶縁度を表すものです。
もし、測定が困難な場合は
漏洩(ろうえい)電流の値を 1mA以下に抑えていればOKと定められています。
漏えい電流の測定は、“零相変流器”、及び”クランプメータ”で実施します。
零相変流器は地絡の検知に使用されており
電路をドーナツ型鉄心の穴に通して 電路相互間の電流値の差異による磁束変化を検知します。
クランプメータでの測定は
電路(中性線含む)の全てをクランプした状態で実施します。
- 単相2線式 :2本の電路をクランプ
- 単相3線式 :2本の電路、1本の中性線をクランプ
- 三相3線式 :3本の電路をクランプ
1-3 接地抵抗の測定
基準値
接地抵抗として定められているものは
- 接地局と大地間
に適応されます。
接地局は、制御盤等に設けられているアースバー等を指します。
接地については
- 使用されている電圧帯
- 漏電遮断器の有無
に応じて、それぞれ電気設備技術基準によって以下の表で定められています。
グレーで着色したA種、及びB種接地に関しては
第一種電気工事士の範囲となるため、詳細は割愛しますが
C種、及びD種接地は頻出項目なので必ず押さえておきましょう!
特に大事なのは、”漏電遮断器の有無” です。ここは頻出です。
問題文に漏電遮断器の設置について記載があると思いますので
注意深くチェックする様にしましょう。
測定機器
接地抵抗を計る際は、”接地抵抗器(アーステスタ)” を使用します。
接地抵抗を計る際の電圧は、交流電圧を使用します。
直流を使用すると、接地局と大地の間で分極作用が生じてしまうことで
抵抗値が変化してしまうので、直流を使用する事はありません。
画像は C〇STOM製のアーステスタですが
緑色の端子が”E(アース)” と呼ばれ、測定する接地局に接続
赤色の端子が”P(ポテンシャル)”と呼ばれる補助局で、電圧端子として大地に接続します。
黄色の端子が”C(カレント)” と呼ばれる補助局で、電流端子として大地に接続します。
これら3つの端子を使用して測定します。
測定方法
3つの端子の接続順に気を付けて接続します。
下図の様に、並び順は E → P → C となります。
それぞれの端子の間隔は 10m 離す必要があります。
私は、”いいPC 10万(m) 円” と覚えています。いい語呂合わせで覚えてみて下さい!
1-4 導通試験
ゴリゴリな規定はありませんが
- 電線の断線がないか?
- 回路の接続に誤りがないか?
- 器具結線の不良がないか?
といった部分を、主にテスタを使って測定します。
これは、普段の業務で使用されている方も多いと思いますが
例えば、端子台のネジに当てたりする事で
ここには電気が共有されているとか、信号が出力されているとか
非常に簡単なチェック方法です。
1-5 電圧 電流 電力の測定
考え方としては、以下の2つを覚えておけばOKです。
- 電圧[V] :測定したい箇所に並列で接続
- 電流[I] :測定したい箇所に直列で接続
電力[W] は、電圧と電流の積になるので
電力計については、測定したい負荷に対し直列と並列に接続する必要があります。
これは、上の表の組み合わせで覚えてしまいましょう!
上図は、本当によく出る図です。
まとめ
出題される内容としては
これらの項目がほとんどですので、しっかりと覚えてしまいましょう!
法規に比べると
結構画が思い浮かぶ内容が多いので、取っつきやすいと思います。
こうやってまとめてみると
項目も、規定もしっかりとされている部分ではあるので
機器の使い方と併せてイメージを刷り込んでしまえば
概ね点数は取れると思いますので、頑張りましょう!!
では、本日はこの辺で。。
またねぇ~!!!
【今日の一言】 測定時は感電に注意です!! ご安全に。。
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